企業インタビュー

【株式会社伊予エンジニアリング/山本 昭廣さん】新たな独自技術GISの提供、新しい分析、解析技術で枝葉を広げ、 デジタル時代を躍動する

  • お話を伺った人:株式会社伊予エンジニアリング 山本 昭廣さん

    ~新たな独自技術GISの提供、新しい分析、解析技術で枝葉を広げ、
    デジタル時代を躍動する
    愛媛から影響力のある発信を続ける技術者集団~

    株式会社伊予エンジニアリング
    代表取締役 山本 昭廣さん

    経歴/愛媛県出身。両親の営む海運業を継ぐため34歳の時、地元愛媛にUターン。
    実際は、2代目が廃業したため設計の道へ。
    その後独立し、株式会社伊予エンジニアリングを設立。

■会社概要
1982年の創業以来、「挑戦」を社是として、常に新しい技術の習得に努めております。
また、特許申請を積極的に推進しており、取得した多くの技術を自社製品までフィードバックしております。
分析・技術解析の提供にも力を入れており、特許を多数取得しています。

当社は、日本感性工学会の会員であり、高い技術力を持つ技術集団、地図情報システムのベンダー企業です。


■事業内容
・地図情報システムの開発/販売
・金融機関向けソリューション開発/販売
・コンピュータシステムの開発/販売/導入支援/コンサルティング
・コンピュータシステム保守、運用支援
・コンピュータおよび周辺機器販売
・エリアマーケティング分野の開発とコンサル

●自社の為に作ったシステムが評判を呼び、システム開発の道へ

創業当初は自動車のボデーを成形するプレス金型の設計をしておりました。

当時はCADがまだ普及しておらず、自社の業務の為に使いやすさを考えたCADシステムを開発しました。
それがある時、某商社から相談があり他業種にも使えることが分かってきました。

具体的には、紙の住宅地図をラスターデータに変換し取り込み、異なるレイヤ上で異なる情報を属性として、関連付ける技術に使えるのではないかと注目され、全国から問合せが来るようになりました。

地図情報システムを使い、お客様の業種や用途に合わせてカスタマイズし提供するようになりました。

これをきっかけにGISの存在と出会い、少しずつシステム開発事業に移行していきました。

●積極的に特許を取得!独自のソリューションで各業界の業務をサポート

当社の事業は、主に全国の金融機関向けに自社開発したITソリューションシステムの納品および保守作業を行ってきました。
地図情報システムを核とした「MAPIN(マップイン)」ブランドとして多彩なソリューションを展開しています。
金融、自治体、一般企業など、様々な業種・業界に提供しています。

また、創業時から特許取得に力を入れており、新しいものを開発した際にはちゃんと権利を取得し、自分達の強みをしっかり持っておくことが事業を継続していくために必要ではないかと考えたからです。

GISを活用する「担保評価システム・営業支援システム・顧客管理システム(CRM)」などで特許を取得しています。

特許があるからすぐに権利を行使するということはありませんが、自分たちの権利を守ることによって、技術の流出を防ぎ、業界を守る事にも繋がると考えています。

●社是は「挑戦」-失敗を恐れる者は必ず失敗する-である。「挑戦には、常にタイミングがあり、そのタイミングを逃せば失敗に帰す」という意味を込めている

当社は、優秀な技術者を育てるために技術の習得を奨励しています。

これまで、技能五輪全国大会の機械製図の部門に社員が愛媛県代表として出場し、金メダルを獲得しました。
愛媛県初だったそうです。

もちろんメダル獲得は本人の才能と努力の結果ですが日本一の技術者を育てられた事を誇りに思います。

社是は「挑戦」です。
優秀な技術者は「もっと難しい事をやりたい」、「他の事をやりたい」という欲求があります。

その気持ちの芽を摘まずにどんどん新しい事にチャレンジできる環境を作っています。

私の場合、新しいアイデアを見つける時には、会話の中にある言葉に反応することが多く、些細な会話に隠されたヒントに気づいて、システムやビジネスモデルの構想を広げています。

●エリアマーケティング分野への挑戦が学会で高評価。実証実験がスタート

企業の平均寿命が23.1年と言われる時代、革新目覚ましい技術業界において伊予エンジニアリングは、創業41年を迎えることができました。
今持っている技術に甘んじることなく、新しいことに取り組み続けてきたからではないかと思っています。

将来のシステムの分野は「分析と解析」が主戦場と考えており、2013年からLSVナビ(ライフスタイル価値ナビゲーション)という、エリアマーケティング分野の新たな可能性に向けて、LTV(顧客生涯価値)に替わるシステムを研究・開発してきました。

その結果、特許を7件取得し、3件出願中です。

このビジネスモデルを2024年3月、九州大学で開催された日本感性工学会の第19回春季全国大会に論文を投稿しました。
そして2024年9月12日に東京で開催された第26回日本感性工学会全国大会において、工学会から「著作賞」を受賞しました。

現在、某金融機関と実証実験に取り組んでいます。

●―メッセージ―

ある学会の先生から、「社長はローカルジェントルマンのようですね」と言われました。

どうやら、イギリスの貴族の事を指すそうです。
イギリス貴族は地方に領地を持っていて、城を建てて住んでいるのだけれど、いざという時にはロンドンに出てきて王に進言するのだそうです。

私たちは、愛媛に拠点を置きながらも、特許取得や学会発表など首都圏の企業と同じように挑戦し、発信することを続けています。

UターンやIターンを考えている皆さん、ぜひ私たちと一緒に新しい挑戦をしていきましょう。
地方だからこそできること、チャレンジできることがあります。

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