企業インタビュー
【株式会社インプット/池本 洋司 さん】産直システムのパイオニア企業、特許技術と「限りなき改善」で支える現場のIT
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お話を伺った人:株式会社インプット 代表取締役社長 池本 洋司 さん
~産直システムのパイオニア企業
農と人をつなぐ仕組みで、全国100超の直売所に導入
特許技術と「限りなき改善」で支える現場のIT~
株式会社インプット
代表取締役社長 池本 洋司 さん
経歴/1968年関西大学工学部卒、1968年NTTデータの前身組織(電電公社)に入社し東京本社でシステム開発等を担当。
その後NTT本体の四国法人営業部SI部長として四国内の情報化に従事。
1996年~2009年関連会社のシステム部長として勤務した後2012年から㈱インプット顧問に就任。
2014年から代表取締役、2016年から会社を買い取り新資本構成の会社として運営を開始、現在に至る。
■会社概要
私たち株式会社インプットは、愛媛県内に本社を構えるシステム開発会社です。
主に、農産物直売所や道の駅で使用される販売管理システム、POSレジによる売上管理システム、農薬・肥料の使用履歴の管理システムなどを手がけ、最近では出荷者Web ページを活用した、直売所の業務の効率化(DX)の取り組みを強化しています。
■主な製品
・新産直繁盛くん
・栽培履歴管理システム
・フードコート呼び出しくん
・産直伝達くん
・GAP支援システム ほか
●約30年前、松山で事業スタート。産直システムの先駆けに
約30年前、愛媛県内子町の道の駅「からり」さんと一緒に、出荷者がラベルを印刷・貼付、POSレジで売上処理等を行う直売所のシステムを開発したところからはじまりました。
当時はまだ全国的にもそういった仕組みが珍しかった時代です。
見学や問い合わせが殺到し、導入先も広がっていきました。
しかし、後発製品の登場により業績が一時期落ち込みました。
私は当初、外部から立て直しを支援する立場で経営に関わっていましたが、事業の意義と可能性を感じるようになり、新資本構成による会社として再編、現在に至ります。
●特許取得のQRシステムで信頼獲得。全国100店舗以上に導入
一般的に産直ではバーコードで、出荷者CD:3桁・商品CD:3桁・価格:4桁 の商品情報管理を行います。
産直販売は委託販売のため、「誰の、何が、いくらで売れたか」を管理する必要があるためです。
例えば「桃」だけでも品種が80種ほどあり、毎年新品種も登場して品種ごとの管理が必要です。
ジャムなどの加工食品では賞味期限管理も求められ、直売所ではバーコードによる管理が難しくなってきました。
そこで当社では、QRコードによる多項目管理ができるシステムを開発し、特許も取得しました。
品種までの商品管理、商品の説明、売上集計などを一括で処理できる仕組みとしたことで、作業効率が向上し、ミスの削減にもつながっています。
店舗側・出荷者側の双方にとって「使いやすく、信頼できる」仕組みとして喜んでいただき、現在では全国100店舗以上に導入されています。
●過去の教訓を力に。日々改善を重ねてお客様からの要望に応える
当社が全国に先駆けて開発したシステムを持っていながらも、業績が低下してしまった背景には、変化への対応を怠った点にありました。
その時の経験を教訓に、経営理念に「限りなき改善・前進」を掲げています。
システムは導入したら終わりではなく、始まりです。
日々の運用で出てくる要望や、業界の流れにあわせて細かく調整・改良を続けることが大切です。
私たちは、お客さまからの日々の声を起点に改善を積み重ね、現場で本当に役立つ仕組みを届けたいと考えています
●JAとの連携強化と高齢農家支援へ!持続可能な直売所の未来をつくる
2023年より全農の関連会社と業務提携を行い、JAが運用する全国の直売所向けの営業強化に取り組んでいます。
産直はただの委託販売だけでなく、外販、飲食店向けの販売など、販路の変化に対応できる仕組みが求められています。
また、小規模農家の高齢化もあり、生産者数も減っています。
今後、商品を安定して確保し、持続可能な運営を実現するには、生産者とのネットワーク構築や支援体制の整備が不可欠です。
社会の動きを見ながら、必要とされる支援の形を展開していく予定です。
●―メッセージ―
小規模ですが、だからこそ「アイデアが形になる速さ」があります。
ひらめきが数週間で現場に導入される。それが当社の面白さでもあります。
愛媛という土地は、生活と仕事、自然のバランスが取れた非常に働きやすい場所です。
リモート環境も整っているので全国のお客さまとつながりながら働けることも魅力のひとつです。
ものづくりに関わりたい方や、自分のアイデアを形にしたいという方には、きっと面白い仕事になると思います。
地域で働きながら、全国で役立つ仕組みを一緒につくっていける、そんな仲間と出会えたら嬉しいです。
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