企業インタビュー

【株式会社アイ・エヌ・エス/武村　貴史さん】「人が宝」の想いを大切に 現場の声から生まれた独自システムを全国へ

■会社概要
株式会社アイ・エヌ・エス（INS）は、1988年に創業し、本年で37年を迎えます。
長年にわたって黒字経営を継続できているのは、お客様からの信頼と、共に歩んできた社員の力があってこそだと感じています。

社名「INS」は、創業当時は「Information Network System」の略でしたが、30周年の節目に「Information Network Service」へと一新しました。

“モノ”から“コト”へ。
従来のシステム開発にとどまらず、“サービスを提供する存在”でありたいという思いを込めています。

現在は、学校や自治体を支える公共システム事業、企業向けのビジネスソリューション事業、そして未来を見据えた製品開発を担う経営企画室の3つを軸に、地域に根ざしたITサービスを展開しています。


■事業内容
●ビジネスソリューション事業
　・地域企業向けのシステム開発販売、運用サポート
　・県内外メーカーの製品開発に携わる技術サービス提供
●公共システム事業
　・学校への機器導入・運用サポート
　・学校用グループウェア（ミライム）の開発販売
●経営企画室
　・商品企画開発、技術研究
　・採用教育

●現場の声から生まれた「ミライム」。全国2,500校で活用

アイ・エヌ・エスでは、お客様との直接取引が9割以上を占めており、提案から開発・導入・運用までを一貫して行っています。

日々の業務の中で交わされる声に耳を傾けることが、製品づくりの出発点です。

学校向けグループウェア「ミライム」も、松山市内の先生方の声をきっかけに生まれました。
「こんな仕組みがあれば助かる」という現場の要望から、初期の形ができあがりました。

現在、愛媛県内では導入率88％を超え、先生方の口コミを通じて全国2,500校以上に広がっています。

導入後も継続的にやり取りを重ね、そこから次のニーズや新たな開発につながっていく。
この信頼関係の積み重ねが、私たちの大きな強みです。

●挑戦を応援する風土と、長く働き続けられる職場環境

「これをやってみたい」という社員の声には、内容がしっかりしていれば、年次に関係なく挑戦を応援できる環境を用意しています。

かつてIT業界では、徹夜や長時間労働が当たり前のような時代もありましたが、当社は残業の少ない働き方を実践してきました。
その風土は今も受け継がれています。

さらに近年は、フリーアドレスやリモートワークといった柔軟な働き方にも対応。

定期的な面談やフォロー体制もあり、自分の成長と向き合いながら、安心して働き続けられる環境です。

●「会社は人。人が宝。」人を大切にする会社でありたい

経営理念として掲げている「会社は人。人が宝。」という言葉は、創業者である私の父が家族に語っていた言葉が原型となりました。

小さい頃から家庭の中で耳にしていたその言葉が、自分の中にずっと残っていて、経営の理念を形にしようとしたときに自然と浮かんだものです。

父の体調が悪くなったタイミングで入社したので直接仕事の引継ぎはできなかったのですが、この言葉は、当社のあり方を示す大切な指針になっています。

●受託から自社サービスへ。愛媛から全国への挑戦

これまでは、お客様のご要望による受託開発を中心に取り組んできましたが、近年は自社で企画・開発するクラウドサービス事業にも注力しています。

たとえば2023年には、中小企業向けの営業支援ツール「ツムギバ」を、2024年には、学校と保護者をつなぐ「ミライムレター」を新たにリリースしました。

こうした自社プロダクトを育てることで、愛媛に拠点を置きながらも、より広い地域にサービスを届けていきたいと考えています。

大きな会社を目指すというよりは、少人数でも収益性や存在価値の高い“強い会社”を目指して、日々の仕事に向き合っていきます。

●―メッセージ―

若いうちは都会に出て経験を積むのも良いことだと思っています。
私自身、外での経験があったからこそ、今の自分があると感じています。

そのうえで、地元で働くことも自然な選択肢として捉えてもらえると嬉しいです。

愛媛は、温暖な気候と穏やかな県民性、豊かな自然が魅力の地域です。
私も山登りや自然が好きで、この環境に日々癒されています。

当社では、地域に根ざしながら、全国のお客様と向き合う仕事ができます。

地元やふるさとに思いのある方と、ともに地域と未来を支える仕事に取り組めたら嬉しいです。

（当記事は2025年11月取材時のものです）

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